自動車の板金塗装は、特定整備の資格を持つ会社に依頼しよう

近年の自動車は、安全運転支援システム(ADAS)などの電子制御装置が搭載されており、単なる「板金修理」や「塗装」では済まないケースが増えています。例えば、バンパー内部にミリ波レーダーが内蔵されている車種では、わずかな板金塗装修理でもセンサー調整(エーミング)が必要です。

このような「電子制御装置整備」が必要な修理を行うには、2020年4月以降、国から認証を受けた「特定整備事業者」であることが求められています。

つまり、安心・確実に車の板金修理を任せたいなら、「特定整備の資格を持つ会社」に依頼することが重要なのです。

そもそも車の板金とは?

 
車に乗っていると、ちょっとした不注意でぶつけたり、こすったりしてしまうことがありますよね。たとえば、

  • 車庫入れの際に柱にぶつけてしまった
  • 狭い道でガードレールと接触してしまった
  • 停車中に他の車に当て逃げされてしまった

こういったときに必要になるのが「板金塗装(ばんきんとそう)」という修理です。
板金塗装とは、車のへこみや傷を直し、元の美しい状態に戻す作業のことをいいます。

具体的には、次のような流れで作業が行われます:

  1. へこんだ部分を叩いて元の形に戻す(板金)
  2. 表面を滑らかに整えるためにパテで形を補修
  3. 塗装して色を元通りにする(塗装)

熟練の技術が必要な作業で、どんなに小さな傷でもプロの目で見て修復してもらうことで、車の価値や見た目をしっかり保つことができます。

ちょっと待って!最近の車はただの「板金修理」では済まない理由

最近の車には「自動ブレーキ」や「車線のはみ出し警告」など、安全を守るための先進運転支援システム(ADAS)が搭載されています。
これらのシステムは、フロントガラスやバンパーの中に取り付けられているカメラやレーダーによって作動しています。
つまり、少しでもバンパーやフェンダーを修理しただけでも、そのセンサーの位置や角度がズレる可能性があるんです。
その状態で車を使い続けると、

  • センサーが誤作動してブレーキが効かない
  • 警告が鳴らない
  • 正常に走行できない

など、重大な事故につながるリスクがあります

そこで重要になるのが「特定整備」の資格

こうした電子制御装置のついた車の修理をするには、国の認証を受けた「特定整備事業者」でなければ作業してはいけない、という決まりがあります。
「特定整備」とは、簡単に言えば
先進安全機能を搭載した車の修理を、安全かつ正確に行える資格を持つ整備事業者
のことです。

特定整備の資格を持つ板金業者に依頼するメリットとは?

1. センサー調整(エーミング)がその場でできる

事故や接触後に必要となる「エーミング」作業ができるので、わざわざ他の整備工場に回す必要がなく、その場で修理が完結します。

2. 最新の車にも正しく対応できる

最近の車はハイブリッドやEV(電気自動車)など、構造も複雑になっています。特定整備を取得している会社なら、メーカーの修理マニュアルに沿った対応が可能です。

3. 保険修理にも強い

事故による保険を使った修理では、見積もりの正確さや保険会社とのやりとりが重要になります。特定整備の資格を持つ会社は、そうした保険修理の対応経験も豊富です。

板金修理で失敗しないための3つのポイント

1. 料金が安すぎる業者には注意

安さだけで選ぶと、仕上がりが雑だったり、再塗装がすぐにはがれることも。

2. 色合わせの技術があるか確認

車の色は経年変化するため、ただ塗ればよいわけではありません。微妙な色の違いを再現する調色の技術が重要です。

3. 見積もりの説明がわかりやすいかどうか

作業内容を丁寧に説明してくれる業者は信頼できます。不明点をきちんと質問しましょう。

大切な愛車の板金塗装は、安心できる会社にお任せを!

車の板金修理・塗装は、見た目の修理だけでなく、安全性にも直結する重要な作業です。

特に近年の車は構造も電子制御も高度化しているため、「特定整備」の資格を持ったプロフェッショナルに依頼することが何よりの安心につながります。

「ちょっとぶつけただけだから…」と安易に考えず、
技術・資格・信頼の3つがそろった整備会社を選びましょう!